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東京高等裁判所 昭和60年(行ケ)93号 判決

請求の原因事実はすべて当事者間に争いがなく、右事実によれば、本件審決の取消を求める原告の請求は理由がある。

よつて、本訴請求を認容する。

〔編註その一〕 本件における請求原因は左のとおりである。

一 特許庁及び裁判所における手続の経緯

1 原告は考案の名称を「電気掃除機」とする登録第一一六八六六八号実用新案(昭和四二年三月四日出願、昭和四六年一二月一八日出願公告、昭和五二年四月一三日設定登録、以下「本件実用新案」という。)の実用新案権者であるが、被告は昭和五二年九月二二日原告を被請求人として、本件実用新案登録無効の審判を請求した。特許庁はこれを昭和五二年審判第一七〇八四号事件として審理し、昭和五七年四月一九日本件実用新案の登録を無効とする旨の審決をし、その謄本は同年五月一九日原告に送達された。

原告はこれを不服として昭和五七年六月一五日東京高等裁判所に右審決取消の訴を提起し、同年(行ケ)第一二九号事件として係属したが、昭和五八年七月二八日「原告の請求を棄却する。訴訟費用は、原告の負担とする。」との判決があつたので、更に同年八月一〇日最高裁判所に上告した(昭和五八年(行ツ)第一二四号)ところ、昭和六〇年五月二八日「原判決を破棄する。本件を東京高等裁判所に差し戻す。」との判決がされた。

2 この間原告は、本件実用新案につき、昭和五八年九月八日訂正審判を請求し(昭和五八年審判第一九一二〇号)、実用新案登録請求の範囲を減縮することを求めたところ、昭和五九年一二月一八日次項2のとおり訂正を認める旨の審決がなされ、その謄本は昭和六〇年一月二一日原告に送達された。

二 本件実用新案の実用新案登録請求の範囲

1 前記訂正審決による訂正認可前のもの

電動送風機を収納し車輪(12)を有する主体(A)と、この主体の前部にその下部にて着脱自在に係合されかつ前輪(14)を有する集塵ケース(B)と、この集塵ケースと上記主体(A)をその上部で互に掛止する掛金(4)とを備え、上記主体(A)とケース(B)との結合状態での重心位置が上記車輪(12)の軸心より前方に位置し、かつ上記主体(A)それ自身の重心位置が上記車輪(12)の軸心より後方に位置するように上記車輪(12)の取付位置を選定し、上記掛金(4)を外したとき上記主体(A)とケース(B)との結合面をその係合部を支点として開くようにした電気掃除機

2 前記訂正審決による訂正認可後のもの

電動送風機を収納しその両側に一対の車輪(12)を有する主体(A)と、この主体の前部にその下部にて着脱自在に係合され、かつ前輪(14)と着脱できるフイルター装置(C)とを有し、上記主体(A)との結合面の開口より塵捨てをする集塵ケース(B)と、この集塵ケースと上記主体(A)をその上部で互に掛止する掛金(4)とを備え、主体(A)とケース(B)との結合面を車輪(12)の前方に位置させるとともに、上記主体(A)とケース(B)との結合状態での重心位置が上記車輪(12)の軸心より前方に位置し、かつ上記主体(A)それ自身の重心位置が上記車輪(12)の軸心より後方に位置するように上記車輪(12)の取付位置に選定し、上記掛金(4)を外したとき上記主体(A)とケース(B)との結合面をその係合部を支点として開くようにした電気掃除機

三 本件審決の理由

別紙審決書のとおり

四 本件審決の取消事由

前記一、二に記載のとおり、本件実用新案の実用新案登録請求の範囲を減縮する旨の訂正審決により、本件無効審判手続においては右訂正後の考案が審理の対象とされるべきところ、本件審決は訂正前の考案について判断を示したのみであつて、訂正後の考案については何ら触れられていない。

従つて、本件審決は違法として取消されるべきである。

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